なぜ今、ME/CFSが注目されるのか?
ME/CFSは、少なくとも6か月以上続く原因不明の強い疲労を中心に、認知機能障害(集中力や記憶力の低下など)、睡眠障害、筋肉痛、労作後症状増悪(身体活動や認知活動の後に症状が悪化し、回復に時間を要すること)、起立不耐(立ち上がったときにめまいや動悸がすること)などを伴う複雑な疾患です。世界人口の約0.2~0.4%が影響を受けると推定されており、無視できない規模の患者さんがいると見られています。
しかし、症状が多岐にわたり、他の疾患との区別が難しいことから、多くの患者さんが未診断のまま過ごしている可能性が指摘されています。今回のレポートでは、疾患認知の向上や診断枠組みの改善、そして将来的な新しい治療法の研究進展を背景に、2026年から2035年にかけて診断される患者さんの数が増加すると予測されており、この疾患への関心が今後ますます高まることが期待されています。

ME/CFSの患者さんの実態
この疾患は、特に10~19歳の思春期・青年初期と、30~39歳の成人期に発症のピークがあり、平均診断年齢は約33~35歳とされています。学業や仕事、育児など、社会的に活発な年代で発症することから、患者さん個人の生活だけでなく、社会全体への経済的影響も大きいと考えられています。
性別では女性に多く、女性対男性比は約3:1~4:1と、女性が男性よりも大幅に多いことが報告されています。また、米国では約83.6万人から250万人、英国では約25万人がME/CFSを抱えていると推定されています。日本を含む8つの主要市場(米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インド)における疫学動向が分析されており、各国の状況も注目されます。
治療の現状と未来への期待
現在のところ、ME/CFSに対する確立された根治療法はありません。そのため、治療は主に症状の軽減と日常生活機能の改善を目指し、労作後症状増悪を避けるための活動調整(ペーシング)や、症状に応じた薬物療法、ストレス管理などが行われています。
しかし、このレポートでは、将来的に免疫系や炎症のメカニズムを標的とした治療法や、病態を客観的に示す「バイオマーカー」(病気の存在や進行度を示す生体内の指標)の探索が進むことで、診断の精度や速度が向上し、より個別化された治療法が開発される可能性が示唆されています。
知っておきたい実用情報
今回発表された調査レポート「世界の慢性疲労症候群の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Chronic Fatigue Syndrome Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」は、株式会社マーケットリサーチセンターより提供されています。詳細な情報やレポートに関するお問い合わせは、以下のリンクから可能です。
ME/CFSは、まだ十分に理解されていない疾患ですが、今回のレポートにより、その実態と未来がより明確になってきました。この情報が、疾患の認知度向上と、患者さんへのより良い支援につながることを期待しましょう。
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※ 内容はリリースにより異なります。