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マクニカとElith、国内初の「聞くAI」で特殊詐欺電話をリアルタイム検知!90%以上の高精度で固定電話の安全を守る新技術

なぜ今、この技術が注目されるのか?

近年、特殊詐欺の被害は深刻化しており、2025年には認知件数・被害額ともに過去最悪を記録しました。特に60代以上では固定電話を起点とする被害が多く、総務省も電気通信事業者に対し、AIを活用した詐欺検知・警告サービスの強化を要請しています。

従来の迷惑電話対策は、電話番号による判定が中心でした。しかし、詐欺の手口が巧妙になるにつれて、受電後の会話内容や会話の流れから詐欺の兆候を早期に検知する新たな対策が求められています。

一方で、音声をクラウド上で解析する方式では、音声データの外部送信によるプライバシーへの懸念や、サーバー・クラウド利用費といった運用負担が課題でした。そこで、マクニカとElithは、端末側でAI推論を行うEdge AIに着目し、今回のPoCを実施しました。

PoCの概要と驚きの評価結果

今回のPoCでは、マクニカとElithが共同でAIモデルの開発から評価、エッジ環境への実装検証までを進めました。Broadcom社のNPU(AIの推論処理に特化したプロセッサ)を搭載したPON MAC SoC(光アクセスネットワークの通信制御機能を1つの半導体チップに集積したもの)評価ボードを活用しています。

具体的には、USBスピーカーフォンなどを通じて入力された通話音声を、ホームゲートウェイ(光回線を使ったインターネットやひかり電話で使われる多機能機器)等を想定した評価環境の端末側でリアルタイムに解析し、会話内容や文脈から特殊詐欺の兆候を判定します。

PoCの処理フロー

公開されている音声データを活用し、「おれおれ詐欺」や「公的機関をかたる詐欺」、「コールセンター型詐欺」など複数の特殊詐欺シナリオと一般会話シナリオを対象に評価が行われました。その結果、構築された評価環境において、90%以上の判定精度が確認されています。この結果は、NPUを活用したEdge AIが、通信機器上で通話中の詐欺リスクをリアルタイムに判定できる可能性を示しています。

この技術のすごいところ

1. NPU/Edge AIによるリアルタイム詐欺検知

クラウドではなく、固定電話が接続されるホームゲートウェイなどの端末側でAIが推論処理を行います。これにより、通話内容をリアルタイムで解析し、詐欺の兆候を素早く検出します。NPUの活用で、AI推論が高効率に実行されます。

2. 音声データに対するプライバシー保護

クラウドAIでは音声データを外部サーバーへ送信する必要がありますが、このソリューションではAI処理が端末内で完結します。利用者のプライバシー保護や情報漏えいリスクの低減に貢献します。

3. クラウド利用料を抑えた低コスト運用

AI処理をエッジ側で行うため、音声解析をクラウドで実行する場合と比べて、サーバー利用料やクラウド運用コストを削減できます。通信事業者やサービス提供事業者にとって導入しやすい構成です。

4. 固定電話利用環境への適用を想定

ホームゲートウェイと固定電話の組み合わせを想定した検証により、会話の文脈をEdge AIでリアルタイムに解析する詐欺検知技術の実現可能性が示されました。従来の電話番号情報を用いる対策を補完し、受電後の会話内容から詐欺の兆候を捉える新たな対策への応用が期待されます。

今後の展望

マクニカとElithは、今回のPoCで得られた知見をもとに、評価シナリオの拡充やAIモデルの性能向上に取り組んでいくとのことです。また、通信事業者や通信機器メーカーと連携し、実際の利用環境を想定した検証を進めていきます。ホームゲートウェイをはじめとする通信機器への実装可能性や運用面での課題についても検討を進め、特殊詐欺対策への活用を通じて、より安心・安全な通信環境の実現を目指しています。

この技術が実用化されれば、私たちの日常がさらに安全なものになるでしょう。今後の進展に期待が高まります。

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