東京とニューヨークを拠点に活動する現代美術家・鎌谷徹太郎の個展「虚実の閾(きょじつのしきい)」が、2026年12月6日(日)から23日(水)まで、京都の禅寺・両足院で開かれます。主催はimi Inc.、共催はGALLERY.S/株式会社enigmaで、両足院が特別協力を務めます。通常は一般公開されていない方丈と大書院を中心に、作品と場所の関係そのものを体感できる展示が構成されます。

コラージュを探究してきた鎌谷徹太郎の作品世界
鎌谷徹太郎は1979年大阪生まれ。初期には、高度資本主義とイメージの関係への洞察をもとに、アプロプリエーションやシミュレーションを絵画表現へと展開した作品を発表し、日本のアートシーンで注目を集めました。その後は20年以上にわたり、絵画における「コラージュ」の可能性を追い続けています。絵画を軸に異なる素材や技法を行き来しながら、立体や空間へと表現の領域を広げてきました。
現在の作品群は、独自に開発した素材を用い、金色の描線と鮮やかな顔料の配置によって構成されています。自然や生命を思わせる有機的なかたち、装飾性を帯びた細部、幾層にも重なるイメージが、支持体を覆い尽くすほどの密度で画面を形づくります。その濃密さによって、見る人の視線が作品の外側に広がる「余白」へと導かれていくような感覚も生まれ、鑑賞する距離や視点によって異なる表情を見せる点も特徴です。
これまでに、2023年には英国王立園芸協会主催「チェルシーフラワーショー」で、建築家の隈研吾、庭園デザイナーの石原和幸との共同により金賞を受賞。2026年には画集出版記念個展「表層の彼方」(LIVE ART GALLERY/東京)を開催しています。作品はゲーザ・フォン・ハプスブルク大公、グロリア・スター・キンズ、レイチェル・リーマン、デヴィッド・クレイグ・テプリツキほか、国内外の個人・企業コレクションに収蔵されています。

600年を超える禅寺で、庭園と屏風が向かい合う
会場の両足院は、京都の花街・祇園に隣接する禅寺です。1358年、龍山徳見禅師の入寂に際して弟子たちが開創しました。室町時代から江戸時代にかけては、長谷川等伯や伊藤若冲といった美術界の重鎮、上田秋成ら文壇の才人が出入りし、書画や禅の典籍、陶磁器などを介して美術・工芸・文学を横断する交流が育まれてきました。近年は国内外の現代美術家による展覧会も行われ、掛け軸や襖絵、庭園を含むランドスケープを用いたインスタレーションなど、空間や景観と作品が呼応する展示が続いています。
大書院には、そこから望める庭園から着想を得た高さ約2.1m、幅約8.3mの大型屏風作品が展示され、庭園の実景と描かれた世界が重なり合います。鎌谷のステートメントでは、庭園は生の自然ではなく構成された自然であり、一方で描かれた庭も眼に作用するモノとして現に存在していることから、どちらも虚実を横断する経験だと語られています。ステートメントには「庭園は『背景』ではなく、絵画もまた『写像』ではない」という一節もあります。
12月19日(土)は冥丁を迎えた一日限りの特別公演
会期中の12月19日(土)には、「冥丁×鎌谷徹太郎×両足院」による一日限りの特別公演が開催されます。冥丁は広島県尾道市出身、京都在住の音楽家で、誰もが感じながらも言葉では捉えきれない繊細な日本の印象を「失日本」と名付け、現代的な音楽技術で日本古来の印象を編集する表現を続けています。『怪談』『小町』『古風』からなる三部作はThe WireやPitchforkなど海外の主要音楽メディアにも取り上げられ、2026年には世界遺産・音羽山 清水寺の本堂舞台で奉納演奏を行いました。
当日は、冥丁が本展のために書き下ろした新曲を初披露し、両足院の空間に展開する鎌谷の作品と響き合わせます。申込の詳細は公式ウェブサイトで案内されています。なお、この日は特別公演のため一般拝観が休止となります。

開催概要
- 展覧会名:鎌谷徹太郎「虚実の閾」
- 日程:2026年12月6日(日)〜12月23日(水)(12月19日(土)は特別公演開催のため一般拝観休止)
- 時間:13:00〜17:00(最終入場16:30)
- 会場:両足院(京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591)
- 拝観料:一般1,000円、中高生500円(要・学生証)、小学生以下無料
- 障がい者手帳等を提示した方と付き添い1名までは無料
- 公式サイト:https://tetsutarokamatani-exhibition.com
- お問い合わせ:鎌谷徹太郎展 事務局(kamatani.projects@imi.studio)
共催のGALLERY.Sは、東京都内での開設に向けて準備を進めている、現代アートを中心とした新しいギャラリーです。作家が作品を通して伝えようとすることと、鑑賞者が受け取る感覚や思考の双方を大切にしながら、表現と出会う場づくりを目指しています。協賛にはSilver Sponsorとして株式会社IZUTSUYA、株式会社メルビル、Individual Supporterとしてナグモクリニックが名を連ねています。
出典:株式会社SANZEN
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※ 内容はリリースにより異なります。