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防災庁発足の日に刊行――阪神・淡路大震災の被災者が説く「スポーツ×防災」、篠田大輔氏『逆転の防災戦略』

株式会社シンク(本社:東京都千代田区)の代表取締役・篠田大輔氏による単著『逆転の防災戦略-災害大国・日本から生まれた「スポーツ×防災」の社会実装』が、2026年11月2日に刊行されました。この日は、日本の防災行政の司令塔となる「防災庁」が発足した日でもあります。発行は幻冬舎メディアコンサルティング、発売は幻冬舎です。

「怖さ」ではなく「楽しさ」で、防災の心理的ハードルを下げる

篠田氏が阪神・淡路大震災で被災してから31年が経ちました。同氏は当時の原体験を出発点に、災害の「怖さ」ゆえに遠ざけられてきた防災へスポーツの「楽しさ」を取り入れ、心理的なハードルを下げる取り組みを続けてきました。重視してきたのは、最も身近な防災インフラである「自らの身体」の防災力、つまり身体知を育むことです。

本書では、防災スポーツ®を一過性の防災訓練や体験イベントにとどめない社会実装モデルが示されています。アスリートやプロチーム、スタジアムといったスポーツの社会資源との共創をはじめ、企業のCSV・ブランディング、さらには地域の防災まちづくりまでを包括した内容です。

本書の構成

  • はじめに
  • 序章:1995年1月17日、大震災という原体験―あの朝が、問いのはじまりだった
  • 第1章:世界有数の災害大国・日本―それでも防災意識が行動に結びつかない理由
  • 第2章:染みついた「義務感」が人々を防災から遠ざける―自治体・学校・企業に共通する、防災の課題と限界
  • 第3章:楽しいから動く、動くから身につく、身につくから助かる―防災のあり方を変えるスポーツの力
  • 第4章:頭だけでなく身体で覚える防災へ―教育・地域・企業を巻き込んだ防災のアップデート
  • 第5章:イベントから、社会インフラへ―防災スポーツを社会に実装する
  • 第6章:特別な備えから、社会の文化へ―スポーツで築く、命を守る社会の未来図
  • おわりに

原点は1995年、災害には「試合日」がない

篠田氏のすべての原点は、1995年の阪神・淡路大震災にあります。倒れた本棚から家族を助け出し、避難所では地域の人々と協力しながら物資を運びました。そのとき味わった無力感と、その後に被災地を勇気づけた「スポーツの力」が出発点になったと語っています。

災害は一瞬で日常を奪い、いざという時に自分と大切な人を守れるのは「自らの身体と行動」しかない。篠田氏はそう述べたうえで、スポーツと防災には「日頃の準備こそが本番で真価を発揮する」という共通点があると指摘します。ただし決定的に異なるのは、災害にはスポーツのような「試合日」がないことです。明日かもしれないし、10年後かもしれない。だからこそ、日常の中に「楽しく自然と身につく備え」を組み込んでおく必要があるといいます。

前スポーツ庁長官・室伏広治氏から贈られた「防災スポーツは命を守るスポーツだ」という言葉を胸に、義務であった防災を、スポーツの力を活用して誰もが前向きで価値のある行動へとひっくり返していく。それが篠田氏の掲げる方針です。

自治体・教育・企業へ広がる実践と著者の歩み

防災スポーツの取り組みに対する公的評価(一部)は次のとおりです。また、「楽しく防災」の専門家と競技プログラムを共同開発したほか、東京大学大学院、神戸大学大学院との共同検証も行っています。

  • 令和7年 防災功労者内閣総理大臣表彰 受賞
  • 令和5年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)受賞
  • 第8回スポーツ振興賞 スポーツ庁長官賞
  • こどもスマイルムーブメント大賞 優秀賞(東京都)

現場での実装も広がっています。自治体では東京都、大阪府、兵庫県、秋田県、宮城県石巻市、茨城県常総市、東京都港区、山梨県南部町、愛知県西尾市、長崎県波佐見町などで実績があります。教育現場では東京都内の小学校でのカリキュラム化をはじめ、全国の小中高での防災教育展開や大学との連携が進められています。さらに、チーム、アスリート、スポーツ団体、スタジアム・アリーナ等のスポーツの社会資源との連携・共創、大手製薬会社、損害保険会社、大手デベロッパー等の企業とのCSV・協業展開、大阪・関西万博での実施といった実績もあります。

著者の篠田氏は1981年に神奈川県横浜市で生まれ、兵庫県西宮市で育ちました。慶應義塾大学理工学部を卒業し、慶應義塾大学大学院を修了。スポーツ事業会社を経て、2014年に株式会社シンクを設立し、スポーツの可能性を広げて新たな価値を創造する企画・プロデュース事業を展開しています。2018年には阪神・淡路大震災の被災経験を原点に、スポーツの力を活用した新たな防災ソリューション「防災スポーツ」を事業化しました。現在は省庁・自治体・教育機関・企業・スポーツ団体等と幅広く連携し、全国展開を推進しています。

主な受賞歴は、2022年の第4回 日本オープンイノベーション大賞スポーツ庁長官賞(内閣府)、2023年の令和5年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(文部科学省)、2025年の令和7年 防災功労者内閣総理大臣表彰(内閣府)、2026年の矢上賞(慶應義塾)です。なお、「防災スポーツ」は株式会社シンクの登録商標です。

出典:株式会社シンク

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