ビジネス

日本のスポーツ栄養市場が2035年に77.2億ドル規模へ!成長を牽引する「一般化」と「多様化」の波

市場を押し上げる「一般化」の波

この成長の背景には、スポーツニュートリションが競技者やボディビルダーだけのものではなくなり、一般の消費者に広く浸透している点が挙げられます。マラソンや地域スポーツへの参加拡大、企業の健康増進施策、政府による健康維持キャンペーンなどが後押しし、オフィスワーカーや中高年、女性、そして日常的に運動する人々へとターゲット層が大きく広がっています。

特に日本では高齢化が市場構造を大きく変えています。メーカーは50歳以上の消費者を意識し、低乳糖で消化しやすいプロテインや、筋力維持を目的とした高タンパク飲料などを開発。また、女性のジム利用増加に対応し、コラーゲン配合や低カロリー、鉄分などを意識した商品も増えており、年齢や性別に応じたきめ細やかな商品展開が進んでいます。

科学的根拠に基づいた「多様化」する製品

製品開発においては、「機能を科学的に明確化する」方向性が強まっています。日本の機能性表示食品制度に対応しながら、「回復」「持久力」「筋肉維持」「吸収性」「消化しやすさ」といった具体的な用途を訴求する商品が増加。単に高タンパクであるだけでなく、消費者が求める機能に特化した製品が選ばれるようになっています。

商品形態も非常に多様化しています。従来のプロテインパウダーに加え、飲むヨーグルト、ゼリー、1回分の小袋、すぐに飲めるRTD(Ready To Drink)飲料など、外出先でも手軽に摂取できる製品が増加。コンビニエンスストアや自動販売機が重要な販売チャネルである日本では、小容量で持ち運びしやすいフォーマットが消費者に好評です。

また、新しいタンパク源の利用も注目されています。従来のホエイ、大豆、えんどう豆に加え、葉由来のRubiscoタンパク質分離物といった新素材の商業化も進められています。これにより、アミノ酸組成や機能性における差別化競争が活発化しています。

購入チャネルの変化:コンビニとオンラインが鍵

流通チャネル別では、コンビニエンスストアが依然として重要な販売チャネルです。店舗密度の高さと営業時間の長さ、そして少量即時購入との相性が抜群で、通勤途中や運動後に手軽に購入できる点が強みです。

一方で、オンラインストアは年平均成長率(CAGR)14.7%と最も高い成長が予測されています。大容量プロテインやサプリメントをまとめ買いしやすく、価格比較も容易なため、多くの消費者に利用されています。D2C(メーカー直販)モデルも拡大しており、サブスクリプション(定期購入)と組み合わせることで、継続的な利用を促しています。

今後の展望:健康寿命延伸への貢献

日本のスポーツニュートリション市場で特に重要となるのは、「健康寿命」との融合です。高齢者にとってのタンパク質摂取は、競技能力向上だけでなく、筋力維持による転倒防止や要介護化予防といった、日常生活機能の維持に大きな意味を持ちます。

このため、今後は「スポーツニュートリション」という枠組みを超え、「アクティブエイジングニュートリション」としての成長が期待されます。50代、60代、70代でも活動的に過ごしたいと考える消費者向けに、消化しやすさ、少量高タンパク、低糖などを重視した製品がさらに増えるでしょう。

市場は「競技者がトレーニングのために摂取する特殊食品」から、「一般消費者が日常的に筋力・回復・健康維持のために利用する機能性栄養市場」へと変化しています。今後の競争力を左右するのは、タンパク質量だけでなく、科学的根拠、消化性、味、携帯性、ターゲット別設計、そして日本特有の流通環境への適応力となるでしょう。

レポート詳細情報

この市場調査レポートは、日本のスポーツニュートリション市場の包括的な分析を提供しています。詳細については、下記よりお問い合わせください。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※ 内容はリリースにより異なります。