環境に優しい選択肢が主流に?生分解性生理用ナプキン市場の未来
近年、環境問題への関心が高まる中で、日用品の選択基準にも変化が訪れています。特に生理用品の分野では、使い捨てプラスチックの削減に貢献する「生分解性生理用ナプキン」が注目を集めています。
株式会社マーケットリサーチセンターが発表した最新の調査レポートによると、日本の生分解性生理用ナプキン市場は、2025年の1億6,130万米ドルから、2035年には7億9,545万米ドルへと大幅な拡大が見込まれています。この10年間で、年平均成長率(CAGR)17.3%という高い成長率で市場が伸びる予測です。CAGRとは、複数年にわたる成長率を年間の平均値で示したものです。

なぜ今、生分解性生理用ナプキンが注目されるのか
この市場成長を後押しする主な要因は多岐にわたります。
- プラスチック廃棄削減への関心: 消費者の環境意識が高まり、プラスチックごみの削減に貢献したいというニーズが強まっています。
- 植物由来素材の採用: 石油由来プラスチックに代わる、竹やトウモロコシなどを原料とする植物由来素材の採用が進んでいます。
- 企業・施設によるサステナブル調達: 企業や病院、大学などがESG(環境・社会・ガバナンス)経営の一環として、持続可能な製品の調達を進めています。
- EC・サブスクリプション販売の拡大: オンラインでの購入や定期購入モデルが普及し、消費者が手軽に製品を入手できるようになっています。
- 認証・トレーサビリティ要求の高まり: 生分解性表示の信頼性を確保するため、第三者認証や原料の追跡可能性に対する要求が厳しくなっています。
成長を牽引する素材と流通の変化
進化する素材
現在主流の素材は「コットン」ですが、肌への快適性や既存の製造網といった強みがあります。オーガニックコットンや塩素不使用素材など、高付加価値商品への展開も期待されています。
次世代素材として特に成長が期待されるのが「Bamboo-Corn」ブレンドです。レポートでは、竹の吸水性とトウモロコシ由来のバイオポリマーを組み合わせることで、生分解性と量産性を両立しやすいと指摘されています。予測期間中のCAGRは19.2%と、市場全体の伸びを上回る見込みです。
また、「バナナ繊維」も100%生分解性で3~6か月で完全に分解するとされていますが、この分解期間は温度や湿度、微生物環境、廃棄条件に大きく依存するため、すべての環境で一律に成立する数値ではない点には注意が必要です。
オンライン販売が市場を加速
流通チャネルでは、現在の主要チャネルであるスーパーマーケットやハイパーマーケットに加え、「オンライン」がCAGR25.7%と最も高い成長率を示すと予測されています。生理用品はプライバシー性が高く、定期的に必要になるため、Eコマース(EC)とサブスクリプションモデル(D2Cなど)との相性が非常に良いと考えられます。メーカーにとっても、安定した収益確保や環境訴求のしやすさといったメリットがあります。
競争環境と今後の展望
市場の主要企業としては、ユニ・チャーム、花王、P&Gなどが挙げられます。これらの企業は、単なる価格競争ではなく、素材性能、認証された生分解性、吸収性、肌への快適性、供給安定性といった点で競争を繰り広げています。
ユニ・チャームは植物由来吸収体やプラスチック使用量を抑えた製品を、花王は肌刺激低減や持続可能な素材調達を、P&Gは吸収性・フィット性を維持しつつプラスチック削減を進めるなど、各社が環境配慮と製品性能の両立を目指しています。
日本の生分解性生理用ナプキン市場は、環境意識の高まりと製品性能の向上が相まって、今後ますます成長していくことでしょう。環境配慮を重視しながらも、既存製品と同水準の品質と利便性を求める消費者のニーズに応える製品が、市場を牽引していくと考えられます。
関連情報
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