地方都市の課題を乗り越える!「女性活躍」が生存戦略に
人口減少と労働力不足に直面する地方都市にとって、組織の持続可能性を高めることは喫緊の課題です。その解決策として今、「女性活躍」が単なる意識啓発に留まらず、具体的な「生存戦略」として注目を集めています。
香川県高松市に本社を置く株式会社日本総険は、この課題に対し、自社グループで実践してきた組織改革のノウハウを特別公開しました。2026年8月9日に東かがわ市で開催された「東かがわ市男女共同参画講演会」では、同社取締役副社長の葛石晋三氏が登壇し、地方経営における女性活躍推進のあり方を具体的に提言しました。

「同質性リスク」とは?多様性が組織を強くする理由
企業経営において、意思決定層が似たような属性や価値観を持つ人々で構成されることは、「同質性リスク」、あるいは「集積リスク」と呼ばれ、非常に危険な状態だと指摘されています。同じ視点ばかりでは、重要な見落としや判断ミスが起こりやすくなるからです。
講演では、多様な人材の登用は単なる人材確保ではなく、組織の「死角」をなくし、予測不可能な変化の時代を生き抜くための「生存戦略」そのものであると解説されました。
「事務員さん」の制服廃止から始まった組織改革
日本総険グループでは、かつて女性社員を「事務員さん」と呼び、制服を着用してもらっていました。しかし、これが無意識のうちに女性の可能性を固定化してしまっていたことに気づき、評価制度を抜本的に見直しました。
「職位で業務を規定する」というルールを廃止した結果、職位に左右されずに多方面で成果を生み出す社員が増加。一人ひとりが主体的に強みを発揮できるようになりました。この改革により、時短勤務やリモートワーク、副業制度といった多様な働き方を維持しながらも、組織としての対応力が向上。現在では、女性役員が誕生するまでに至り、コンプライアンスや内部監査といった経営の根幹を担う中核業務も女性社員が幅広く担当しています。
日本総険グループは、女性社員比率70%で株式上場を達成し、グループ2社で「えるぼし認定3つ星」を取得するなど、女性活躍推進において具体的な成果を上げています。

家庭内の「無意識の偏見」を乗り越える
女性の社会参加を促すには、企業内の制度だけでなく、家庭環境にも目を向ける必要があります。講演では、家事・育児の分担に対する意識が、若年層では高い一方で、親世代では過半数に届かないという世代間のギャップが示されました。
地方都市では、こうした世代間の価値観の違いが、女性の挑戦を阻む「無意識のブレーキ(アンコンシャス・バイアス)」となるケースが少なくありません。本人が望んでも、身近な家族から悪気なく「やめておきなさい」と言われてしまうことがあるのです。
企業や地域社会が、この家庭内の役割固定化や世代間ギャップが、地域全体の労働参加率を押し下げている事実を客観視することが重要です。そして、一人ひとりの心の中にある「こうあるべき」という無意識の偏見を払拭していくアプローチこそが、真の女性活躍に向けた第一歩であると提言されました。
2026年4月からの義務化で、企業は新たなフェーズへ
2026年4月からは、従業員101人以上の企業において、男女の賃金差や女性管理職比率の公表が義務化されます。これにより、企業のダイバーシティ推進は、より実効性の高い対応が求められるフェーズに入ります。
日本総険は、「性別や職位の境界線を設けない」という方針のもと、多様な働き方を取り入れ、試行錯誤しながら風土づくりに取り組んできました。これらの実践を通じて得たノウハウを自社だけに留めず、地域社会や地方企業へ還元していくことを企業の役割と捉えています。今後も持続可能な地方経営のサポートを通じて、真の女性活躍の「社会実装」に向けた取り組みを強化していくとのことです。
株式会社日本総険の活動について、詳細は以下のコーポレートサイトをご覧ください。
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