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未来の冷却は「ゼロエネルギー」!SPACECOOLと日立が社会インフラを冷やす画期的な実証を開始

未来の冷却は「ゼロエネルギー」!SPACECOOLと日立が社会インフラを冷やす画期的な実証を開始

気候変動と社会インフラの課題、SPACECOOLと日立の取り組み

近年、地球規模で進む気候変動は、私たちの生活を支える社会インフラにも大きな影響を与えています。特に、電力設備やデータセンター、再生可能エネルギー関連設備などでは、気温上昇による熱問題が性能低下や故障リスク、さらには冷却コストの増加につながる深刻な課題となっています。従来の冷却技術は追加のエネルギー消費を伴うことが多く、熱対策の強化がさらなるエネルギー消費を招くというジレンマがありました。

そんな中、追加のエネルギーを一切必要としない画期的な技術「放射冷却」が注目を集めています。この技術を持つSPACECOOL株式会社と、社会インフラ分野で長年の実績を持つ株式会社日立製作所が手を組み、社会インフラの安定運用と省エネルギー化を両立する新たな熱対策の実現に向けた実証実験を開始しました。

放射冷却技術とは?「ゼロエネルギー冷却」の秘密

「放射冷却」とは、太陽光を反射して熱の吸収を抑えつつ、物体が持つ熱を赤外線として宇宙空間に放出することで、追加のエネルギーなしで外気温よりも温度を低下させる技術です。特に、熱が地球の大気を透過しやすい「大気の窓」(波長8-13μmの赤外線)の波長域を利用して宇宙に熱を逃がすことで、日中のゼロエネルギー冷却を可能にします。

SPACECOOLが開発した放射冷却素材「SPACECOOL」は、この原理を応用した世界最高レベルの性能を持つ新素材です。太陽光の約95%を反射し、同時に物体から出る熱の約95%を赤外線として宇宙に放射することで、まさに「日中のゼロエネルギー冷却」を実現します。

SPACE COOLの仕組み

日立との共同実証で社会インフラの未来を拓く

この画期的なSPACECOOLの放射冷却技術と、日立が社会インフラ分野で培ってきた設備の設計・運用・保守に関する豊富な知見を組み合わせることで、実環境における温度上昇抑制効果だけでなく、設備特性、設置環境、運用・保守条件を踏まえた適用性を検証します。これにより、社会インフラ設備への導入に必要な「適用・運用モデル」の構築を目指します。

具体的には、日立グループが関わる電力設備、データセンター関連設備、直射日光を受ける屋外設備などを対象に、放射冷却技術の適用実証を段階的に進めます。実証で得られたデータをもとに、地域ごとの気候条件も考慮した導入・運用モデルを検討し、幅広い社会インフラ設備への展開を目指していくとのことです。

今後の展望:持続可能な社会への貢献

両社は、今回の実証を通じて得られるデータと知見を活かし、電力設備、データセンター関連設備、再生可能エネルギー関連設備など、多岐にわたる社会インフラ分野への放射冷却技術の適用拡大を目指しています。

SPACECOOLは、この技術を社会インフラにおける新たな熱対策の選択肢として広く普及させることで、設備の安定運用や省エネルギー化、さらには気候変動への適応に貢献していく考えです。

一方、日立は、今回の実証を、電力・熱・CO2・データを横断的に統合し、社会全体の最適化と意思決定支援を目指す「エネルギーNEXUS」の取り組みの第一歩と位置付けています。実証で得られる知見や運用ノウハウをデジタル化・資産化し、「Lumada 3.0」(日立が提供するデジタルソリューションを創出するプラットフォーム)を通じて、重要インフラの信頼性向上とエネルギー利用の最適化に貢献していきます。将来的には、2030年に新設予定の次世代型社会インフラ研究の中核拠点「調和の丘」においても研究・実証を発展させ、パッシブ冷却を含む新たなエネルギーソリューションの創出を目指すとのことです。

この取り組みは、気候変動がもたらす課題に対し、技術と知恵で立ち向かう重要な一歩と言えるでしょう。ゼロエネルギーで社会インフラを冷却する未来が、もうすぐそこまで来ているかもしれません。

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