東京都豊島区に本社を置く株式会社HelioX(代表取締役:ハン・ビン)が、山口県下関市の実証事業に参画しています。この事業では、太陽光エネルギーを活用したマイクロモビリティを使います。太陽光発電機能を備えた車両で街を巡る無料の体験は、2027年3月末まで実施される予定です。車両の貸出と返却は、下関市役所横のカフェ「TAGLINE(タグライン)」で行います。16歳以上であれば運転免許がなくても利用でき、赤間神宮から下関駅周辺までの指定エリアを走れます。この取り組みは、2026年10月29日に下関市ホームページと下関市公式観光サイトでも案内されました。

「歩くには少し遠い」距離をつなぐ、新しい移動の選択肢
下関市の唐戸周辺には、関門海峡の景色が広がり、歴史ある街並みや飲食店、観光スポットが点在しています。歩いて巡る時間も旅の楽しみの一つです。ただ、少し離れた場所まで足を延ばそうとすると、移動が負担になる場合もあります。
今回の無料体験は、車を使うほどではない短い距離を気軽に移動できるようにするものです。立ち寄る場所は自分で決められ、途中で見つけた風景やお店も楽しめます。HelioXは、目的地へ向かう移動そのものが旅の一部になるような体験を提案しています。
太陽光で充電し、地域で続けられる運営方法を探る
貸出車両には太陽光パネルが搭載されています。日照条件に応じて、走行中や駐車中に得られる電力をバッテリーの充電に使います。充電作業は基本的に不要なため、運営コストを大幅に抑えられます。これは、車両を複数台運用する地域サービスにとって重要な特徴です。なお、太陽光による充電量は、天候や日射条件、走行環境などによって変わります。外部からの充電が不要になることを保証するものではありません。
HelioXは、この仕組みにIoTを活用した車両管理を組み合わせ、車両の状態把握や運用業務の効率化に取り組んでいます。下関市の実証では、地域の施設を貸出拠点として運営しています。あわせて、利用状況や参加者の声をもとに、無理なく続けられる仕組みを検討していく方針です。
平常時の移動手段を、非常時の備えにも
災害時には、大きな非常用電源を確保するだけでは足りません。避難場所や現地拠点の間を移動する手段や、スマートフォンや照明などの小型機器を使い続けるための電力も必要になります。HelioXは、平常時には人の移動を支え、非常時には持ち運べる小さな電源にもなる「フェーズフリー」のモビリティを開発しています。2026年8月には、太陽光発電を搭載した「Solar E-Bike」の試作機を発表しました。この試作機は、最大60W(USB-PD対応)の外部給電機能を備えています。
ただし、下関市で無料貸出をしている車両は、このSolar E-Bikeとは別のモデルです。下関市での無料体験には、外部機器への給電サービスは含まれません。同社は今後、車両の用途に応じて防災に活用できる可能性も検討していくとしています。
無料体験の概要と利用の流れ
- 体験期間:2027年3月末まで(予定)
- 貸出・返却場所:TAGLINE(山口県下関市南部町1-1/下関市役所横)
- 利用可能時間:8:00~17:30(17:30までに返却)
- 休業日:定休日なし(月1回不定休)
- 貸出料金:無料
- デポジット:1,000円(現金のみ。車両等の返却後に返金)
- 対象:16歳以上(運転免許不要)
- 走行可能エリア:赤間神宮~下関駅周辺の指定エリア
体験期間は、下関市公式観光サイトの案内に基づいています。最新の利用条件や走行可能エリアは、下関市の公式情報と現地の受付で確認できます。利用時には、専用アプリを使うためのスマートフォン、デポジット1,000円(現金)、年齢を確認できる本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)が必要です。
- TAGLINEで受付をし、デポジットを預ける
- 専用アプリをダウンロードし、ユーザー登録と年齢確認を行う(初回のみ)
- 指定エリア内で体験する
- 17:30までにTAGLINEへ車両とヘルメットを返却する
- デポジットの返金を受ける(アンケートへの協力もお願いしている)
走行時は交通ルールを守り、歩行者や周囲の車両に十分注意する必要があります。走行可能な指定エリアやおすすめルートは、貸出時に確認します。また、歩道を走行できるのは、法令で認められた条件と場所に限られます。
下関市の取り組みでは、街にすでにある拠点で車両を受け渡し、実際に使ってもらいながら運営の課題を確かめています。利用者にとって使いやすく、現地の事業者にとって管理しやすく、必要なときに役立つ技術へと育てていく。HelioXは、こうした一つ一つの積み重ねが、地域の移動手段の選択肢を増やすと考えています。下関市は、実証で得られた知見を、観光や生活圏での近距離移動、施設内での利用など、地域ごとの条件に合った持続可能な地域づくりに生かしていく考えです。
株式会社HelioXは2024年11月に設立され、本社は東京都豊島区南池袋2丁目47-7-8Fにあります。太陽光発電を搭載したモビリティとエネルギー制御技術、IoTによる車両管理を組み合わせ、観光、地域交通、施設内移動、防災などの分野で、持続可能な移動の仕組みづくりに取り組んでいます。
出典:株式会社HelioX
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