
宮古島の観光案内にAIアバター、3者で実証運用へ
一般社団法人宮古島観光協会(沖縄県宮古島市、会長:西里 長治)、株式会社Canvi(東京都新宿区、代表取締役社長:岡林優治)、XRSPACE CO., LTD.(台湾台北市、CEO:Kurt Liu)の3者は、AIアバター「Perxona(パーソナ)」を観光の問い合わせ対応に活用する実証運用を始めます。期間は2026年11月9日(月)から12月31日(木)までです。
宮古島観光協会には、観光客や旅行会社、事業者から電話とメールで日々多くの問い合わせが届いており、メールだけで月100件以上にのぼります。「今日は泳げるか」「空港からバスで行けるか」「台風の時期は」といった質問のほか、パンフレットの郵送依頼、ふるさと納税、事業者からの相談まで内容は幅広く、限られた職員で応対しているのが現状です。一方で旅行者が答えを求めるのは旅の計画を立てているまさにそのときであり、夜間や休日にもすぐに回答が得られる窓口が求められていました。

問い合わせの約8割はAIで回答できる見込み
実証運用に向けて、これまで宮古島観光協会に寄せられた電話の問い合わせ記録を13の分類に整理しました。その結果、天気・台風、海・ビーチ、交通、宿・お店、観光ルート、パンフレットなど、問い合わせの約8割はAIが回答できる見込みの内容であることが明らかになりました。今回は現場の運用を大きく変えずに始められるよう、一つの問い合わせを「AIが答える」か「職員が対応する」かのどちらかで完結させる形をとります。
- AIが答えるもの:ビーチの特徴や安全上の注意、バスの路線、雨の日の過ごし方、モデルコース、パンフレットの案内など、よくある質問。会員事業者は複数を紹介し、特定の1社に偏らないようにします。
- 職員が対応するもの:ふるさと納税の個別の手続き、旅行会社の団体旅行、写真・映像の利用申請などの個別の相談や、苦情・トラブル・緊急の連絡。これらにはAIは答えず、宮古島観光協会への電話を案内します。
利用者は、宮古島観光協会の公式サイトと情報サイトの問い合わせフォームから送信した際に届く自動返信メールを通じて、AIアバターの観光案内にすぐアクセスできます。AIとの会話記録はすべて振り返ることができ、自動返信メールの案内文も実証期間中に見直しながら、より多くの人に使ってもらえる形を探っていきます。
実施概要
- 期間:2026年11月9日(月)~12月31日(木)
- 対象:宮古島観光協会への観光に関する問い合わせ(まずはホームページの問い合わせフォーム経由)
- 利用方法:公式サイト・情報サイトの問い合わせフォームの自動返信メールに記載のURLから
- 利用料:無料(観光客など利用者の負担はありません)
- 検証項目:AIの利用件数とAIで解決できた割合、職員の対応件数・対応時間の変化、利用者の満足度(AIとの会話のあとにCanviが行う5段階の簡単なアンケートで把握)

「答えるAI」から「人を動かすAI」へ
AIの案内窓口は各地で広がっているものの、導入されても存在を知られず、使われないまま終わるケースも少なくありません。今回の取り組みでは、質問に答えるだけでなく、旅行者の行動を後押しし、地域の観光と共存する「人を動かすAI」として根付かせることを目指しています。問い合わせの入口づくりから、利用者がどこで離れてしまうか、職員の手がどこで止まるかまでを運用しながら確かめ、つまずく箇所を一つずつ解消していく検証の場と位置づけられています。
- 宮古島観光協会:観光情報・会員事業者情報の提供、運用の確認、個別の相談への対応
- Canvi:問い合わせ記録の分析、AIアバターの設計・構築、運用の改善
- XRSPACE:AIアバター「Perxona」の提供と、構築の技術支援
宮古島観光協会の西里長治会長は、職員の業務時間以外の対応がこれまで課題だったとしたうえで、AIアバターによる対応の開始によって、AIで対応できる問い合わせと職員がより丁寧に進めるべき問い合わせを明確にできるとの考えを示しています。Canviの岡林優治代表取締役社長は、実際に寄せられた問い合わせを一件ずつ分析して答える範囲を決め、問い合わせの自動返信という「困ったその瞬間」に入口を置いたと説明。XRSPACEのKurt Liu CEOは、今回の宮古島での取り組みを、旅行者の「知りたい」に寄り添う会話を実際の来訪や島での体験へとつなげる第一歩と位置づけています。

今後は多言語対応や「ポケットの中の観光案内所」も
実証運用の成果をもとに、日本語・英語・中国語・韓国語に対応するAIアバターを、問い合わせフォームにとどまらず旅行者が観光情報を求めるさまざまな接点へ広げていく方針です。たとえば観光案内所や空港、商業施設などにモニターを設置し、画面の中のアバターと会話しながら観光情報を得られる「AIインフォメーション」を想定しています。その場でQRコードを読み取れば、アバターとの会話を旅行者自身のスマートフォンにそのまま引き継ぎ、移動中も手元で案内を受け続けられる“ポケットの中の観光案内所”として、外国人観光客も含め誰もが知りたいその瞬間に使える案内のかたちを目指します。あわせて電話での問い合わせへの対応なども検討し、宮古島を訪れるすべての人に寄り添う窓口へと育てていくとしています。
出典:株式会社Canvi
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