香りの未来を拓く!「香料化学物質市場」が2035年には約109億ドル規模へ成長予測
私たちが日々触れる製品には、心地よい香りが欠かせません。香水や化粧品、洗剤、さらには食品や飲料に至るまで、その「香り」の源となっているのが香料化学物質です。この香料化学物質の世界市場が、今後飛躍的な成長を遂げるとの調査結果が発表されました。
SDKI Analyticsが2026年9月11日に公表した「香料化学物質市場」に関する調査レポートによると、2025年には約61億米ドル(日本円で約9,000億円超)だった市場規模が、2035年には約109.2億米ドル(日本円で約1兆6,000億円超)にまで拡大すると予測されています。この期間における年平均成長率(CAGR)は、約6%と見込まれています。

なぜ今、香料化学物質市場が注目されるのか?
この市場成長の背景には、主に三つの大きな要因があります。
1. 世界的な化学品生産の拡大
世界中で化学品や石油化学製品の生産が拡大していることが、香料化学物質の需要を押し上げています。例えば、インド化学工業会のデータでは、主要な化学品および石油化学製品の生産量が、2015-16年度から2024-25年度にかけて増加しており、この流れが香料化学物質市場の成長を後押ししていると考えられます。
2. 持続可能な製品・バイオ由来製品へのシフト
環境意識の高まりとともに、消費者からはバイオ由来成分や天然成分を配合したフレグランス(香り)やパーソナルケア製品への需要が強まっています。これに応えるため、世界中のメーカーが、持続可能性に配慮し、合成成分への依存を最小限に抑えた製品の開発に力を入れています。
例えば、ドイツの化学大手BASFは、2025年10月に純度95%の新しいフレーバー原料「Isobionics® Natural alpha-Farnesene 95」を発売しました。これは、ライム風味の製品開発に優れており、持続可能性への取り組みを示す一例です。
3. パーソナルケア分野での利用拡大と新技術の開発
パーソナルケアや化粧品分野での香料化学物質の利用が広がるとともに、新たな香料原料の開発も活発です。
BASFは2026年6月、アレルゲン性を持たない新しいシトラス系香料原料「Micadelva」を発表しました。さらに、同社は「Safe-by-Design」の原則(安全性と機能性を両立させる設計思想)を導入し、将来を見据えた香料原料の開発を進めています。
日本の高砂香料工業も、2025年8月にドイツで開催された「Flavors & Fragrances 2025」会議で、再生可能香料原料の開発に関する発表を行っており、バイオ製造に有効な「プロミスカス酵素」(広範な基質特異性を持つ、複数の異なる物質に作用できる酵素)に関する共同研究の成果も紹介されました。
どのような製品が私たちの生活を彩るのか?
香料化学物質市場は、その用途によって細かくセグメント分けされています。中でも、高級フレグランス・香水は、市場成長の大きな牽引役です。調査によると、このセグメントは2035年までに市場全体の31%という大きなシェアを占めると予測されています。
消費者の購買力向上と、個性的な高級フレグランスへの需要拡大が背景にあります。例えば、2026年1月には、Escentric Moleculesがブランド設立20周年を記念した限定版の香りを発売しました。代表的な香り「Molecule 01」には、香料化学物質である「Iso E Super」が約65%という高濃度で配合されています。
アジア太平洋地域が市場を牽引、日本市場も拡大
地域別に見ると、アジア太平洋地域が予測期間中に世界市場の31%のシェアを獲得し、独占すると予想されています。特に中国、インド、日本、韓国では、化粧品やフレグランスのエコシステムが急速に拡大しており、この地域の市場成長を後押ししています。
中国の化粧品市場は、中国国家医療製品総局(NMPA)によると、2024年には1兆元(日本円で約20兆円)を超えると見込まれています。また、フレグランス・香水メーカーのGivaudanは、2026年2月にインドネシアのジャカルタに新しいフレグランスクリエイティブセンターを立ち上げ、消費者の需要に応える体制を強化しています。
一方、日本の香料化学物質市場も、化粧品やパーソナルケア製品の消費が急速に伸びていることに加え、食品およびパーソナルケア業界のメーカーが天然で持続可能な原料の採用を増やしていることで、拡大が見込まれています。
市場を牽引する主要企業
世界の香料化学物質市場における主要企業には、BASF、Givaudan、International Flavors & Fragrances Inc.、Takasago International Corporation(高砂香料工業)、Symrise AGなどが挙げられます。
また、日本市場においては、高砂香料工業、日本香料、長谷川香料、丹羽香料、三菱ガス化学といった企業が上位を占めています。
詳細な市場調査レポートについて
この調査レポートのより詳細な洞察は、以下のURLからご覧いただけます。
無料サンプルレポートや試読版も提供されていますので、ご興味のある方は以下のリンクからお申し込みください。
関連する市場調査レポート
SDKI Analyticsについて
SDKI Analyticsは、信頼性が高く、詳細かつ綿密な市場調査およびインサイトを提供しています。クライアント企業のビジネスを根本から変革し、最大限の成長と成功へと導くことを目標としています。
-
ウェブサイト: https://www.sdki.jp/
-
SNS:
-
X(旧Twitter): https://twitter.com/SDKIResearch
-
Facebook: https://www.facebook.com/sdkiresearch/
-
香料化学物質市場の成長は、私たちの日常生活に新たな香りや体験をもたらし、より豊かな選択肢を提供してくれることでしょう。今後の市場の動向に注目が集まります。
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※ 内容はリリースにより異なります。