なぜ今、ステーブルコイン決済が注目されるのか?
日本では、2023年6月の改正資金決済法施行により、電子決済手段としてのステーブルコインに関する制度整備が進み、円建てステーブルコインの発行・流通が本格化しています。しかし、実際に使える場所が限られていることが、社会での普及に向けた大きな課題でした。
今回のKaiaとネットスターズの協業は、ステーブルコインを「保有・送金する資産」という位置づけから、「日常の買い物で利用できる決済手段」へと発展させることを目的としています。この取り組みが成功すれば、私たちの買い物体験が大きく変わるだけでなく、訪日外国人観光客にとっても、よりスムーズな決済が可能になるでしょう。
Kaiaとネットスターズ、それぞれの強み
Kaiaは、LINEの「Finschia」とKakaoの「Klaytn」が統合して2024年に誕生した、アジア最大級のEVM互換パブリックブロックチェーンです。EVM互換パブリックブロックチェーンとは、Ethereum Virtual Machine(イーサリアム仮想マシン)と互換性のある、誰もが参加できる公開型のブロックチェーンのことで、イーサリアム上で開発された多くのアプリケーションやツールが利用可能になります。Kaiaは、ネイティブUSDT(米ドル連動)、JPYC(日本円連動)、IDRX(インドネシアルピア連動)など、アジア各国の法定通貨に連動するステーブルコインの実装を進めています。
一方、ネットスターズは「StarPay」を通じて年間決済取扱高2兆円超、加盟店約70万拠点にキャッシュレス決済を導入している日本の決済大手です。2015年に日本初のインバウンド向けマルチQRコード決済サービスを提供開始して以来、国内外の決済ブランドと日本の店舗をつなぐ役割を担ってきました。現在は、Web2とWeb3の金融サービスをつなぐ「StarPay-X」構想を推進しており、2026年7月には、複数のステーブルコイン決済をワンストップで導入・運用できる店舗向けサービス「Stablecoin Pay」の提供を開始しています。
協業の3つの柱
両社の提携は、以下の3つの柱を中心に進められます。
1. Kaia上のステーブルコインを、日本のリアル店舗決済へ
ネットスターズの「StarPay」加盟店ネットワークを活用し、Kaiaを基盤とするステーブルコインによる店頭決済の提供を目指します。利用者がステーブルコインで支払っても、加盟店には日本円で入金される仕組みを検討することで、加盟店が暗号資産を直接保有することなく、新しい決済手段を受け入れられる環境の構築を目指します。
2. アジア各国通貨建てステーブルコインへの拡大
今後は、韓国ウォン、香港ドル、台湾ドル、および東南アジア主要国の通貨のステーブルコインへの対応も検討されます。これにより、訪日外国人が自国通貨に連動するステーブルコインで日本の店舗で支払い、加盟店が日本円で代金を受け取れる仕組みを構築し、インバウンド決済における新たな選択肢を提供することを目指します。
3. 交換・流動性・清算における技術連携
複数通貨建てステーブルコインを店舗で受け入れるためには、通貨間の交換レート、流動性の確保、加盟店への清算プロセスなどを一体的に設計する必要があります。両社は、Kaiaエコシステムのオンチェーン外国為替(FX)オーケストレーション・レイヤー「Ratio(レシオ)」の活用可能性を含め、技術検証を共同で進めます。Ratioとは、Kaiaエコシステム内で、異なる通貨建てステーブルコイン間の交換レート調整や流動性確保を担う技術です。
今後の展望
両社は、今回の基本合意に基づき、技術面、制度面、事業面から実現可能性の検証を進めていきます。まずは日本国内でのステーブルコイン決済の利用環境構築を検討し、将来的にはアジア各国・地域のステーブルコインと日本のリアル店舗をつなぐ決済ネットワークへの発展を目指すとのことです。
Kaia DLT Foundationの議長であるSam Seo氏は、「日本の決済市場を支えてきたネットスターズ様と協業できることを大変嬉しく思います。ステーブルコインが社会に広く普及するためには、ブロックチェーン上の基盤だけでなく、実際の決済環境との接続が重要です。」とコメントしています。
また、株式会社ネットスターズの代表取締役社長CEOである李剛氏は、「ステーブルコインの社会実装には、利用者が実際に使える場所と、加盟店が安心して受け入れられる決済・精算の仕組みが不可欠です。Kaiaのアジア最大級ともいわれる、2億5000万人以上のユーザー基盤に、当社の加盟店ネットワークをつなぎ、日常の決済で利用できる環境づくりを進めます。」と述べており、両社の未来に向けた強い意気込みが伺えます。
会社概要
Kaia DLT Foundation
Kakaoの「Klaytn」とLINEの「Finschia」の統合により2024年に誕生した、アジア最大級のEVM互換パブリックブロックチェーンを運営しています。決済・送金・オンチェーン金融のインフラ構築を進めています。
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本部:アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)
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議長:Sam Seo
株式会社ネットスターズ
マルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」を中核に、決済とDXを一気通貫で支援するフィンテック企業です。2023年9月には東京証券取引所グロース市場に上場しています。
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所在地:東京都中央区八丁堀3-3-5 住友不動産八丁堀ビル
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代表者:代表取締役社長CEO 李 剛
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設立:2009年
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