接続検証で確認された画期的な成果
この画期的な連携は、2026年8月18日にTOAの研究開発拠点「ナレッジスクエア」(兵庫県宝塚市)で実施された接続検証で確認されました。
検証では、アイズのAI対応クラウドIP-PBXサービス「iZE CALL with AGEphone Cowork」(クラウド上の電話交換機機能を指します)と、TOAの「IPオーディオ」シリーズ機器(IPネットワークで音声信号を伝送するスピーカーやマイクなど)をネットワーク経由で接続。
その結果、スマートフォン用IP内線アプリ「AGEphone Cowork」から暗号化された通信を用いて、クラウド上のIP-PBXを介して複数のIPスピーカーに対し、通常の内外線電話利用に加え、一斉放送やグループ別放送を、高音質かつ遅延なく安全に実施できることが実証されました。
なぜ今、この連携が注目されるのか?
この成果は、多くの自治体が直面している喫緊の課題への有力な解決策となります。
自治体の課題を解決
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PHS内線のサービス終了に伴う移行問題:PHS(簡易型携帯電話)サービス終了により、代替となる新たな内線システムへの移行が求められています。
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防災行政無線の老朽化と高額な維持・更新費用:専用設備や親局装置の維持・更新にかかる財政負担が大きく、操作性の課題も指摘されていました。
今回の連携により、これまで個別に構築・維持されてきた「電話(内外線)システム」「屋外子局による防災行政無線」「館内放送」を、同一のIP/クラウド環境上で連携運用できる技術的可能性が確認されました。これにより、通信回線を統一することでインフラ全体のコスト削減が見込まれます。
災害時にも強い、機動性の高い情報伝達
災害時には、モバイル回線や衛星インターネットへ切り替えることで情報提供を継続できる可能性も秘めています。また、スマートフォンならではの機動性を活かし、現場の職員や自治会長などが、その場から地域住民へ肉声で一斉放送・地区別放送を行う「即席ミニ放送局」のような運用への発展も期待されます。
TOAからは、「iZE CALL with AGEphone Cowork」が持つ複数のSIPセッション(インターネット電話などで使われる通信プロトコル)を多数のIPオーディオシリーズのIPスピーカーへ同時接続できる「放送サーバー機能」が高く評価されています。この機能は、自治体全域への一斉放送だけでなく、ハザードマップの危険度に応じて必要なエリアへ的確な情報を届ける、きめ細かな放送への活用が見込まれています。
各社の強みと役割
株式会社アイズ
AI対応クラウドIP-PBX「iZE CALL with AGEphone Cowork」を提供。スマートフォンを内線端末および放送端末として活用し、従来の放送設備や電話交換機(PBX)の役割をクラウド上に集約します。高音質・低遅延の放送機能と電話機能に加え、AI受付応対やAI議事録・要約といったAI機能までをオールインワンで提供し、コスト削減に貢献します。
株式会社ageet
高性能内線アプリケーション「AGEphone Cowork」を開発。長年にわたり培ってきたVoIP技術(インターネット回線を利用した音声通話技術)を基盤に、職員のスマートフォンから簡単な操作で対象の屋外スピーカーやグループを指定し、SIPによる高音質な放送を行うためのインターフェースとアプリケーション制御を提供します。
自治体での具体的な活用シーン
このソリューションは、自治体の様々なシーンで活躍することが期待されます。
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PHS内線の代替 + 防災無線のモバイル化:職員が携行するスマートフォンの専用アプリが、「PHS内線に代わる内線電話」と「放送卓(端末)」の役割を担います。災害時には庁舎外からでもデータ通信が確保できれば、どこからでも防災行政無線に相当する放送が可能です。
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放送用親局設備や専用回線の削減による大幅なコスト削減:従来必要だった高額な送信機や親局、専用の無線周波数帯・通信回線が不要となります。光回線、LTE/5G、衛星インターネットといった汎用通信網を利用できるため、インフラの設計・導入・保守にかかる費用の大幅な削減が期待されます。
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日常的な地域・校内・施設内放送への活用:自治会のお知らせ放送、学校の校内放送、公園・スポーツ施設・観光地での案内やイベント放送など、平常時の音声伝達インフラとしても活用できます。放送設備の設置場所まで移動する必要がなく、出張先や外出先からでも手軽に利用できます。
今後の取り組み
アイズとageetは、今回の接続検証の結果を踏まえ、全国の自治体に向けた実証実験と導入提案を推進していくとのことです。また、既存の防災行政無線用アナログスピーカー設備を活用した、段階的なIP化の提案も進めていくとしています。
「電話(内外線)」と「放送(平時・非常時)」の垣根を越え、あらゆるシーンでコストを抑えながら安心して利用できる音声コミュニケーション基盤の実現に期待が高まります。
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