成長を牽引する二つの柱:自動車とスマート家電
進化する車載オーディオ体験
自動車分野では、コネクテッドカーや自動運転車の普及が進むにつれて、高級車載インフォテインメントシステムや高品質な空間音響への需要が急速に高まっています。オーディオコーデックIC(音声データをデジタル信号に変換したり、その逆を行ったりする半導体チップ)は、こうした高音質な車内空間を実現するために不可欠な存在です。
例えば、2025年5月には、旭化成エレクトロニクス(AKM)とDiracが提携を発表しました。これにより、AKMの車載オーディオDSP(デジタルシグナルプロセッサ)にDiracのスマート音響技術が統合され、より自然で没入感のある車載オーディオ体験が、手動チューニングの手間なく実現されることが期待されています。
スマートホームとIoTエコシステムの拡大
用途別セグメントでは、家電(コンシューマーエレクトロニクス)分野が、2026年から2035年にかけて市場最大の66.6%のシェアを占めると予測されています。スマートホームの普及を促進する政府の施策やインフラ整備が、この成長を強力に後押ししています。消費者は、音声機能搭載のIoT(モノのインターネット)エコシステムを選択する傾向にあり、これには低消費電力のオーディオコーデックICが不可欠です。
また、IoT製品のサイバーセキュリティレベルを評価・表示する「JC-STAR」制度が2025年3月に開始されたことも、より安全なコネクテッド家電の導入拡大に貢献し、市場の裾野を広げる役割を果たしています。
主要企業の動向に注目
市場を牽引する企業では、新たな技術開発や提携が活発に行われています。
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2026年5月、AKMは「HIGH END Vienna 2026」で、ハイファイ・オーディオ用オペアンプIC「AK491x」シリーズを初公開しました。このシリーズは、超低ノイズと優れたTHD+N(全高調波歪率+ノイズ:音質の指標で、低いほど高音質)特性を実現しており、高音質オーディオ体験の向上に貢献します。
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2024年8月には、ソニーとAiroha Technologyが、ソニーのハイレゾ対応オーディオコーデック「LDAC」の採用拡大に向けて提携しました。LDACは、高音質を保ちながら安定した接続を実現するBluetoothオーディオコーデックで、すでに世界中で7,000万個以上の対応チップが出荷されています。
東京が市場成長のハブに
地域別に見ると、東京が予測期間中、日本のオーディオコーデックIC市場において有望な成長機会を享受すると予測されています。東京は、高速ローカルネットワークや高度なエッジコンピューティング・ノードといったデジタルインフラが非常に高密度に整備されており、半導体企業がスマートシティ技術や次世代通信デバイスなどを試験的に導入・展開する理想的な拠点となっています。
さらに、東京の巨大な消費者基盤と経済力は、スマート家電やコネクテッドIoTエコシステムといった製品の需要を強力に押し上げています。2024年9月には、東京都が次世代通信分野のスタートアップ支援プログラムの推進事業者を決定するなど、市場の成長を後押しする取り組みも活発です。
詳しい情報を知るには
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